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研究参加施設向け Q & A
1.研究について
- この研究に参加したいのですが、募集はしていますか。条件はありますか。
- 継続的に参加施設を募集しております。J-DREAMS導入の条件は以下になります。
・血糖など一般的な項目の採血、処方のオーダリングシステムが電子化されている
・電子カルテシステムが導入されており、血圧や体重、既往歴を含めた診療情報が診療端末に入力されている
・電子カルテシステムのメーカーが、NEC、富士通、IBM、ソフトウェア・サービス、キヤノンである
・電子カルテにSS-MIX2ストレージが導入されている(もしくは今後設置することが可能である)
・診療端末に、診療情報をテンプレート形式で入力するためのシステムツールが導入されている(例:NEC MegaOakのダイナミックテンプレート、富士通 EGMAIN-GXのeXChart)
・システム導入を行い、貴施設外来かかりつけの糖尿病患者に関する診療情報収集を行うことに、施設として協力可能である
参加をご希望される場合には下記よりお問い合わせください。
お問い合わせ
- この研究における個人情報やセキュリティについての考え方を教えてください。
- 本研究では、MCDRS(Multi-Purpose Clinical Data Repository System)という院内匿名化システムを使用し、患者の氏名やIDなどの個人情報が外部に出ることはありません。
データ送信時には暗号化を行い、倫理審査を経た目的以外には使用いたしません。また、匿名性が損なわれるような解析結果の公表も行いません。
患者が研究参加を希望されない場合は、担当医にお申し出いただければ、その方の情報はデータベースに含まれません。
- この研究への参加を希望されない患者さんがいた場合にはどのように対応すればよいですか?
- 参加を希望されない患者さんについては、医師が電子カルテからその方のテンプレートを開き「データを送らない」にチェックを入れることでその方の情報は糖尿病クラウドセンターへの送信対象外となります。
2.システム・仕組みについて
- 糖尿病標準診療テンプレートの導入には電子カルテへの改修作業が発生しますか。
- テンプレート導入には、電子カルテの改修作業が発生します。 工期は、発注をしてから3~4ヶ月ですが、実際の作業は電子カルテを止めることなく、電子カルテの新規リリース・バージョンアップの作業の一部として行います。 診療の妨げとなることなく、テンプレートを使用できるようにします。 電子カルテベンダーに作業発注します。改修費用は、J-DREAMS事務局が負担いたします。
- J-DREAMSテンプレートの項目は、何を元にして作られたのでしょうか。
- 日本医療情報学会が、各学会と調整してミニマム項目セットを策定しています。
https://www.jami.jp/medicalfields/lifestyle-disease
これを元に、このミニマム項目セットを包含する形で、国立健康危機管理研究機構と日本糖尿病学会とで協議して内容を決定しました。
これが2015年のことで、その間に項目の追加などを行って現在のテンプレートになっております。
- 匿名化ID番号は、常に同じ患者を指す番号でしょうか。(同一人物として紐づけされているでしょうか。)
- はい、ご認識の通りです。
- いわゆる連結可能な匿名化対応表に相当するような情報は保持していますか。
- 各施設にて厳重に管理された方法により保持しています。
- 検査データはかなり前のものでも、収集されていくのでしょうか。
- テンプレートが登録されると、その日付からさかのぼって90日分の検査・処方データが収集されます。
そのため、診察時にテンプレートを登録することで、来院がある限りデータが蓄積されていきます。
3.テンプレート入力について
- テンプレートの入力間隔はどうなっていますか?
- 原則的には、外来の度にテンプレートを入力していただきたいと考えています。
本システムは、テンプレート入力日から遡って90日分の処方・検査データが抽出される仕組みとなっています。そのため、診療時に毎回テンプレート入力することで、継続したカルテ情報を抽出することが可能になります。
- 初回の入力で全ての項目を登録する必要がありますか?
- 初回外来では、無理なく入力できる量の内容を入力していただければと思います。
(例:糖尿病の病型、体重・身長、血圧など)
- テンプレートをどれぐらいの頻度でアップデートしていますか。
- 毎回の診療で立ち上げて、体重と血圧だけでも登録をお願いします。
その他の項目は、だいたい1年を目安にアップデートしていただければと思います。合併症の情報を入れてから1年経っていたので少し改めて見たり、何かイベントが起こっていたら入れ直したり、そのようにしています。
- 診察ごとに毎回必ずテンプレート入力記載する必要はありますか。変更点がない場合は、診察日に該当のテンプレートを新規作成で起動し、そのまま保存するだけで良いのでしょうか。
- NECのカルテの場合は、以前のカルテ記載を右クリックして「引用」していただくと、今までの記載をコピーペーストできます。
変更点はないことが多いと思いますが、体重や血圧などは診察日の数値を記載してください。
新たなテンプレートを登録することで、検査や処方のデータがさかのぼって90日分追加されます。
- いつまでに記載完了すれば良いでしょうか。
- 年に2回、9月と2月頃にデータ収集を行っています。その時期に向けて、テンプレート入力内容を充実させていただくようお願いします。
- テンプレートの全ての項目の入力が必要でしょうか。
- なるべく全ての項目を入力するようお願いします。
普段の診療では、体重・血圧など最低限の変更点だけでもテンプレート入力をお願いします。テンプレート登録をすることで、90日分の検査・処方の情報が収集できます。
体重・血圧に加えて、たとえば眼科受診の情報など一項目でも入力し、ゆくゆくは全ての項目を入力できるよう少しずつ内容の充実をお願いします。
J-DREAMSを「育てるデータベース」としてお取り扱いいただければ幸いです。
- 糖尿病症例登録テンプレートに定期受診あり/なしの2種類存在しますが、定期受診ありから無しになった場合はどのようにしたら良いでしょうか。
- 死亡や転院、受診中断などで定期受診なしになった場合は、「定期受診なし」のテンプレートに、診療が終了した理由などを入力し登録お願いします。
各ベンダーからは「定期受診あり」と「定期受診なし」を同じ日に登録するのを避けてほしいと言われておりますので、後日「定期受診なし」テンプレートにご記載いただけると助かります。
- J-DREAMSテンプレートは入院時に入力することも可能でしょうか。
- 入院時に入れていただくことも可能です。その際には、テンプレートの最後尾に、「テンプレート記入時に患者が入院中の場合、右記にチェック: □入院中」をチェックしていただくと、入院中のデータであることがわかります。
同じ患者が外来診療に移行して、テンプレートの内容を引用・コピーする際には、このチェックを外してください。
- 入院時に入力したテンプレートのデータ紐づけはどのようになりますか。
- テンプレートとデータの紐づけはなく、テンプレートが入力された日時からさかのぼって90日分の検査や処方をすべて抽出データとしてまとめます。
退院時にテンプレート入力されますと、通常の2週間程度の教育入院ですと、日付順に処方された薬剤や検査値が並びます。
インスリンにつきましては、どの製剤が処方されたかは見ることができるのですが、単位量は補足できないことが多く、入院中のインスリン量の変化などを見るためにはあまりお役にたてないかもしれません。
- 「飲酒頻度」はどのタイミングの頻度を記載すれば良いでしょうか。診察のたびに患者に聞く必要はありますか。
- 特に厳密な規定はありませんが、年に1回程度、定期的に見直していただくことを推奨いたします。
- 糖尿病症例登録(定期受診あり1枚目)の「(過去に一度でも糖尿病網膜症と診断されたことがある場合) 最初の糖尿病網膜症診断」の日付は、最初に糖尿病網膜症の評価を行った日付でしょうか。それとも、最初に単純(or 前増殖 or 増殖)網膜症と診断された日付でしょうか。
- 評価日ではなく、最初に糖尿病網膜症が診断された日です。
- 末期腎不全で維持透析を導入後に腎移植をして、現在は腎機能は保たれている場合は、どのようにテンプレート登録したら良いでしょうか。
- ご存知のように糖尿病性腎症の病期は、尿アルブミン・尿蛋白値と、eGFRの二軸で決定しますので、腎移植後の腎機能などであらためて現在の糖尿病腎症の病期を決定し、テンプレート入力してください。
また、イベントの記録の中の「腎移植後」をチェックし、登録お願いします。そうすると腎移植後であることがわかります。
- 最初はどの患者も、分類や合併症状況など細かい内容を入力していかないといけないと思うのですが、その後の普段の外来受診時では、データ引用から体重や血圧の更新入力だけして、経過中に合併症イベントが出た時に、その項目を追加するといったイメージでしょうか。
- そのようにお願いします。経過中に合併症イベントが判明したり、新たに発生した場合は、その都度追加してください。
- 最初のうちは、細かいデータを入れられていない人が多いと思いますが、その場合、体重・血圧だけしか入っていない状況でも良いでしょうか。
- まずはテンプレートの登録をお願いしたく、最低限の情報の入力から開始していただいて構いません。次回のデータ収集時期を目安に内容を充実いただければ幸いです。
- 2型でフォローしていた方で、途中でGAD陽性が判明し緩徐進行1型糖尿病の診断に変わったり、膵手術を受けて膵性となったりした場合は、最初はどこを基準に入力するのがよいでしょうか?
- テンプレートの登録があるごとに、その日付のデータが作成されます。ですから、例えば2022年1月の来院までは2型糖尿病として記載していても、2022年3月に抗体陽性が判明したような場合には、3月の入力の際には緩徐進行1型、と入力いただければ診断が変更されたことがわかります。J-DREAMSの収集データとしてはその対応で問題ないと考えております。
ただし、J-DREAMSのテンプレートも他の診療記事と同じで、最近の記事内容を見るのは容易ですが、過去に遡るのは手間です。お手数ですが、実際の診療の際にはJ-DREAMSのテンプレート以外の診療記録に、診断が変更になったことを記載されるか、もしくはJ-DREAMSテンプレートの一番下に自由記載の欄があるので、そこにメモ書きしていただけると、診断の変遷が分かりやすいと思います。
- これからの経過で、病型変更のイベントがあればその時点で分類などを変更する形かと思うのですが、すでにそういったイベントが起きてしまっている人をこれから入力していく場合は、最初の2型で診断された時点を入力するのか、その後病型が変わった直近の時点を入力するのかというのはどちらになるでしょうか。
- 現在の病型をテンプレートに入力いただき、その診断日時をご記載ください。
病型が変わる前の病型は、J-DREAMSテンプレートの自由記載欄に記入いただくか、テンプレート外に記載いただければ良いと考えます。
- 例えば、今日をもって当院終診となる人は、本日分の体重、血圧を入力し、その後で新たに定期受診なしとして、転医したなどの転帰を入力したら良いでしょうか。
- ご認識の通り、「定期受診あり」のテンプレートに体重や血圧、できれば把握できる限りの合併症や併存疾患を入れて登録します。
そして翌日以降、「定期受診なし」のテンプレートに、診療が終了した理由など(死亡、不明、転医など)を記載し登録します。
各ベンダーから、「定期受診あり」と「定期受診なし」が同じ日に発生するのは避けてほしい(ただし、どのような不都合が起きるのかは詳細がわかりません)と言われておりますので、大変お手数ですが翌日以降に「定期受診なし」テンプレートにご記載いただけましたら幸いです。
- 5年前に2型糖尿病と診断され、2年前に当院初診した際にSPIDDMと判明したような例をこれから入力する場合だと、現在の病型から入れてしまって2年前のSPIDDM診断を基準に入力してしまうと、J-DREAMSのデータ的にはtotalの糖尿病歴が2年として記録されてしまうのでしょうか(実際の糖尿病歴は通常カルテや自由記載欄で把握は出来ると思いますが)。一度、2型の診断を5年前で入れた後に、別の日にSPIDDMの診断を入力する方が良いのでしょうか。
- ・診断病型が変更された患者の場合、一度、病型を2型、診断日を2型の診断日を入力
・次の来院された機会などで、病型を緩徐進行1型(もしくは他の病型)、その診断日を入力
・必要であれば、自由記載欄などに最初の病型、診断日をメモしておく
このように入力していただければ、収集するデータでは、2つの診断名と診断日を把握することができます。
- NECの電子カルテで「データ取得」を押して入力する場合、その他疾患として入れていたものが、最後の一つしか引き継がれていない現象がありました。
- NECの電子カルテの繰り返し項目の「データ取得」の標準仕様は、「繰り返し群のうち、最後に入力された値を1つ引用する」です。よって、繰り返し群の入力値が1つしか引用できないのは仕様通りとなります。
「データ取得」ではこのような仕様なのですが、前回入力したテンプレートを右クリックで「引用」する方法もございます。
この方法ですと、複数入力した繰り返し項目の全てが引用されますので、こちらをご使用いただくようお願いします。
- 転医の場合の選択肢で、例えばかかりつけ医よりコントロール不良で紹介され、血糖改善後にお戻しする場合や、病状安定していることから近医へ逆紹介する場合だと、糖尿病の状態の変化、になるのでしょうか。
- 当事務局から細かい指示を出していない箇所となります。病状安定=糖尿病の状態の変化、と解釈することも可能ですし、その他を選択いただいて、病状改善とコメントいただくのも良いかと思います。
- 以前、途中で2型から緩徐進行1型の診断になっている場合、それぞれの診断時期を別の日付で入力するというお話をいただきましたが、腎症が進行してきている人の場合は、可能ならその病期毎の診断時期を別の日付で入れておいた方がいいものでしょうか。(例えば、現状4期の人をこれから入力開始する際、2期となった時点、3期となった時点を別の日付で入れる)
- テンプレート上の自由記載欄にコメントで書いていただいても結構です。
縦断解析する場合、「腎症の判断をした日付」を参照するか、eGFRを用いて解析をすることが多いので、必ずしも腎症の病期分類が変化した日付を記載しなくても良いかと思います。
- 妊娠中の明らかな糖尿病の場合、どこに分類されているでしょうか。2型としてしまっていいか、妊娠中は妊娠糖尿病として、産後も高ければ2型に変えるのか迷っています。
- 可能な情報に基づいて、2型あるいは1型としているようです。
- 妊娠糖尿病の方で、産後OGTTが正常型ですと(あまり良くはないでしょうが)一旦終診としてしまっているのですが、この場合は「定期受診なし」テンプレートに、転医→糖尿病状態の変化あたりを選択でよろしいでしょうか。
- そのような対応で問題ありません。
- 自由記載欄は、スペース的に5~6行入力できるかと思うのですが、1行目の途中位で文字が入力できなくなります。
- 自由記載欄は最大30文字の入力制限があります。
記載欄の大きさから、もっと多くの文字を入力できるように見えますが、仕様で30文字までしか入力できないということで、ご不便おかけし申し訳ございません。
- 免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病については、どこに分類していますでしょうか。1型とするか、その他の薬剤からフリー記載としているか悩んでいます。
- 薬剤使用による糖尿病が、必ずしも機序が全て明らかになっておらずとも明確だと思われますので、薬剤による糖尿病に分類いただくのが適切と思われます。
- 妊娠糖尿病症例の(徐々に増加する)体重入力で、統一してほしいようなやり方などはありますか。
妊娠期間中・分娩前後に、大幅な体重変動が生じますが、これは本来のBMI(妊娠前体重に準じて)の変動とはやや異なるものとも思います。
また妊娠週数は入力されないものと理解しています(入院のタイミングなどでおおよその把握は可能なものでしょうか)。
病棟の先生方などに入力促進のお願いを続けていくにあたり、(データ解析をされる側の観点として)その時点での体重をそのまま入力する形で問題ないでしょうか。
- 体重に関しては、他の症例と同様に、診療日の体重を入力していただくのが原則だと考えております。 現状のJ-DREAMSテンプレートでは
・妊娠前の体重、悪阻があったときなどの最低体重は記載ができない
・妊娠週数の記載ができない
点はなんらかの改善ができないか考えてみます。
4.データ利用について
- 集めたデータベースを利用して研究できますか?
- はい、研究可能となっております。詳細は「J-DREAMSデータ利用」のページをご覧ください。
- 当院のみのデータで研究をしたい場合の手続き方法を教えてください。
- 自施設のデータをダウンロードすることは、いつでも自由に行っていただいて構いません。ダウンロードに関しては事務局への報告も必要ありません。もしその方法がわからなければ、お問い合わせください。
診療の一環として行われるのであれば、研究計画の倫理委員会承認も必要はないと思いますが、研究として行う場合は、貴施設で定めているルールがあると思いますので、そちらに従っていただければと思います。
研究の開始についても特に報告を義務付けておりませんが、研究を学会や雑誌で発表されるときは、J-DREAMS事務局までご一報いただけるとありがたいです。
- ⼿間のかかるデータ⼊⼒を⾏っても、J-DREAM全体のデータを使えるのは結局ごく⼀部の⽅々に限られています。分析したい課題を申請したら、その課題が適切であるかの審査を経たのち、⾃施設でも分析できるようにすべきではないでしょうか。その⽅が多くの研究者がJ-DREAMの成果を公表し、さらにデータベースの充実に協⼒してくれるのでは、と思います。
- ご指摘ありがとうございます。電子カルテ直結型でデータを取る仕組みにしていることもあり、患者から病歴情報を取得するのでそのデータの扱いは、匿名化されているとは言うものの、個人情報として保護されるべきものとして扱っております。J-DREAMSが企画された段階では、医学研究の倫理指針の改訂の途中であり、個人情報保護法の改訂と厳格化の段階でした。そのため、参加施設で集めていだいた全国のデータが流出してしまわないような安全配慮を優先し、全国のデータを扱える場所を限定しました。そのため、各参加施設の先生方には、自施設のデータは扱えますが(そのための方法などは事務局までお問い合わせください)、全国データを扱うためには、研究計画書を作成することや、国立健康危機管理研究機構内でデータを扱っていただく、もしくは共同研究として研究を進めることなどのご不便をかけております。
その後も個人情報保護法の推移や、いわゆる次世代医療基盤法の整備の様子を眺めながら、J-DREAMSのデータを安全に参加施設の方々に使っていただけるような仕組みを作ることができないか、考えていきたいと思います。